情報提供:ビュートピア
新年を迎え、早くも1月下旬となりましたが、皆さまいかがお過ごしでしょうか。遅ればせながら、本年もどうぞよろしくお願いいたします。
寒さが一段と厳しくなる時期ではありますが、体調にはくれぐれもお気をつけください。
新年第1回目は、ホットペッパービューティーのデータほか、複数の調査データから読み解く「2025年のヘアトレンド」をご紹介します。
新しい一年が、美容業界に関わる皆さまにとって、より輝きに満ちたものとなりますように願いつつ、その支援につながるよう解説いたします。
文・作表 田中公子(ホットペッパービューティーアカデミー研究員)
①「姫カット」が進化!レイヤーで「自分らしく」アレンジ
ここ数年で再注目されている「姫カット」。もともと日本で誕生した「姫カット」は、両サイドの髪を直線的にカットして、前髪、サイドともにパツっと切り揃えられているのが特徴です。
K-POPアイドルが取り入れたことで再ブレイク。2024年は姫カットにレイヤーを加え、顔周りに動きをつけるスタイルが広がりました。
Googleトレンド(※)のデータでも、2023年の後半から2024年にかけて人気が急上昇。2025年に入っても勢いは止まりません。「ホットペッパービューティー」の「急上昇ワード」にも、「姫カットレイヤー」がランクインしています。
※Googleトレンド
指定した期間や地域における検索ボリュームを、0~100の相対スコア(人気度)で可視化するツールです。これは絶対的な検索数を示すのではなく、期間内の最大検索数を100とした相対的な指標となります。
「姫カットレイヤー」は、若年層には「ステップカット」という名称で呼ばれることも。レイヤーのバリエーションも広がっています。レイヤーの入れ方次第で、個性的にもナチュラルにも演出できるスタイルは、様々なお客さまのニーズを満たしてくれるでしょう。
②ロングセラーの王道メニュー「髪質改善」で理想の美髪に!
ホットペッパービューティーの「フリーワード検索ランキング(アプリ)」でも、10代~40代まで「不動の1位」を誇る「髪質改善」。
もはやトレンドを超えた定番メニューと言っていいのかもしれません。
SNSでの写真・動画での「櫛を通してサラサラと流れるバックショット」など、髪質改善の効果を目に見えて実感しやすいことも人気を後押ししています。
薬剤も進化を続けており、トリートメントの種類も増えています。マーケットの広がりは2025年も期待できるでしょう。
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③「インナーカラー」のバリエーションが次々と!
ホットペッパービューティーの「フリーワード検索ランキング」からも、若年層では「ブリーチ」「ダブルカラー」などのハイトーンカラーが人気です。
コロナ禍以降は、「インナーカラー」(髪の内側の一部をハイトーンカラーで染める施術)が、「会社でも気づかれにくい」「ハイトーンカラーに挑戦してみたいけど、髪全体に染めるのは勇気がいる」といったお客さまの背中を押し、一気に広まりました。
「インナーカラー」のバリエーションが広がり、髪の外側だけを染める施術を指す「アンブレラカラー」や髪の根元と毛先に異なる色を入れる「ルーツカラー」などデザインカラーのバリエーションが広がっています。
Googleトレンドのデータからも、「アンブレラカラー」「ルーツカラー」とも2024年に急速に人気度が高まっていることが分かります。
このほか、「インナーカラー」と「アンブレラカラー」を組み合わせたようなカラーバリエーションなど、カラーも「お客さまそれぞれ」にあわせたデザインが広がっていくのかもしれません。
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④インバウンドにも大人気!「ドライヘッドスパ」
日本政府観光局(JNTO)によると、2024年12月の訪日外客数(外国人旅行者数)は348.9万人で、単月として過去最高を記録しました。
2024年の1年間では3,687万人。前年比では47.1%増とインバウンドは拡大しています。
美容のインバウンドの可能性は、こちらの寄稿でも紹介しましたが、今回取り上げたいのは「ドライヘッドスパ」の可能性について。
もともと日本独自の造語である“head spa”ですが、Googleトレンドでアメリカ合衆国における検索動向を見てみると、キーワードが急激な上昇傾向にあり、海外からも注目度が高まっていることが分かります!
このうち髪を濡らさない「ドライヘッドスパ」は近年、専門店が続々と出店するなど、日本人にも高い人気を誇る施術です。
外国人旅行客にとって、リラクゼーションサロンやドライヘッドスパの専門店は、他の美容サロンと比べると男女とも入店のハードルが低く、「ちょっとした時間つぶし」にも利用されているようです。
最近ではインバウンド需要を意識したドライヘッドスパの展開が進むなど、日本特有の癒し文化が海外のSNSでも話題になることも。
例えば、日本のドライヘッドスパ体験を紹介する動画など、海外からの口コミによる関心の拡大も見られます。
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⑤「自分らしさ」を楽しみたい!性別にとらわれないスタイルに注目
多様な性のあり方に対して、社会の認知や理解が進んでいます。
特に若年層は学校教育でSDGsを学んでいるため、「LGBTQ+」に対しては約7割、「ジェンダーフリー/ジェンダーレス」「性自認」については5割前後が認知しています。
美容についても、誰もが「自分らしく楽しむ」ことに対する需要が高まっています。
例えば男性の「ロングヘア」についても、7割が「いいと思う」または「まあいいと思う」と肯定的にとらえており、髪型にも「ジェンダーレス」が浸透してきていることがうかがえます。女性の「刈り上げショート」や、男性の「マンバン」(お団子ヘア)といったヘアスタイルも見かけることが増えてきました。「誰もが自分らしく美容を楽しむ、表現できる」、それを実現できる美容サロンがこれからはますます必要になってくるでしょう。
■ データ出典
①Googleトレンド
②ホットペッパービューティー
「フリーワード検索ランキング(アプリ)」
※2024年10月1日~10月31日のデータを使用
③ホットペッパービューティーアカデミー
「美容に関するサステナビリティ意識調査2024」
■調査期間
2024年9月
■調査対象
全国15~59歳5,476人(男性:2700人、女性:2,700人、無回答/あてはまらない76人)
TANAKA KIMIKO/前職は経営コンサルティングファームでIT業界の業務改善に携わる。リクルート入社後、ホットペッパービューティーの事業企画を経て、2012年から現職。調査研究員として、「美容センサス」をはじめとした美容サロン利用調査や、美容消費の兆しを発信。セミナー講演、業界誌・一般誌・テレビなど取材多数。(共著『美容師が知っておきたい50の数字』『美容師が知っておきたい54の真実』(女性モード社)ほか)